量質転化の法則とは?意味や使い方を解説
ビジネスの現場でよく耳にする「量より質」が大切という考えの方や「質より量」が大切という考え方で議論することがあります。
これは誰しもが仕事や作業が慣れるまでに一定の時間がかかる経験から繰り広げられる議論ですが、果たして量と質どっちを優先すれば早く上達するのでしょうか?
そんな時に参考になるのが量質転化の法則です。
これを知っているか知らないかでビジネスで結果を出すことに大きな差があります。
この記事では量質転化について意味や使い方について詳しく解説しています。ビジネスでの活用方法についてもお役立て下さい。
- 量質転化の意味や使い方を知りたい方
- 周りと比べて仕事の成長が遅いと感じている人
- 行動力はあるのに続かない人
- その道のプロになりたい人
量質転化の法則の意味
まずは「量質転化の法則」の意味から確認していきましょう!
- 物事の質を変えたい場合は 一定の量をこなすことが大切という意味になります。
- 簡単にいうと、量をこなすことで質が上がるということです!
- 「量をもって質と成す」とも言われています。
砕いた感じていうと、まずは考える前にやる量を増やそう!といった感じです。
仕事や勉強、スポーツでも「まずはやってみろ!」なんて言われた経験がある方も多いのではないでしょうか?
これは量質転化の法則に基づいています。
まずはやってみて、そこから得た経験や成功体験、失敗経験を基に成長していくわけです。
成長すれば徐々に質が上がり、また量をこなせばさらに質が上がりだんだんと良いものになります。
量質転化の法則の活用方法
『量質転化の法則』はビジネスや勉強でよく使われます。
それぞれどのような形か例で見ていきましょう!
例えば面接時にこんなプロフィールの2人がいたら、どちらを採用したいでしょうか?
- A氏:本をたくさん読み色々な人の話を聞き営業の勉強をしてるが実際の営業経験なし
- B氏:何千回と営業を経験してきたベテラン
多くの方がB氏と答えるはずです。
このように「量が質を向上させる」ということをなんとなく頭では理解しているわけです。
B氏は何千回という営業実践の中で色々な経験をし営業の成功法則が分かっていることでしょう。
この内容からやはり量をこなすというチャレンジが大事ということがよく分かります。
受験勉強をされた方は実感されることがあると思いますが、何度も過去問をやる機会があったと思います。
問題を解くのに1回目は何時間もかかったとしても量をこなすことで徐々に効率的になり1回目より短い時間で解くことができるようになります。
ここで注意して欲しいことは『量質転化の法則』を知ってただ量をこなせばいいんだと考えるのは少し間違いです。
しっかりと目的を持った上で量をこなすことが大事なことです。
先ほどの営業の例も思考停止で「早く仕事を終わらせたいな」と思いながら何千回と経験をこなしていた場合は飛躍的な成長は見込めません。
「この営業はどうやったら上手くいくのかな?」と思考を巡らせた営業経験を積み上げることで質が向上していきます(いわゆるPDCAサイクルを回すことが大切です。)
量質転化の法則3つのおすすめ理由
量質転化の法則が使えるなと感じて頂けたのではないでしょうか?
さらに3つおすすめする理由を解説していきます
細かくみていきましょう!
①最初は誰でも初心者だからこそ量が大切
当たり前ですが最初は誰でも初心者ということを理解することです。
ビジネス、勉強、スポーツすべてにおいて初めてする経験があります。
コミュニケーション能力や人前に立ってプレゼンすることも最初は初心者です。
その時に質を意識してもダメです。
初心者が上手くなるには量をこなすといった経験が何より大切です。
速く走るために何回も走る練習量が必要ですし、歌が上手くなりたいなら何度も歌う練習量が必要で、上手く喋りたいなら人前でたくさん喋る経験が必要です。
このように成長するためには、まず経験の量が必要なのです。
人は何か上手くなりたいと考える時に効率を求めてしまいます。
誰でも楽はしていきたいですし効率よく成長できればそれは最高だと思います。
しかし何が最短ルートで、何が効率的かは私たち初心者にはわかりません。
それにも関わらず楽を求めて量をこなさずに最短ルートで上手くなろうとします。
最初は泥臭い経験をした方が遥かに成長するものです。
初心者だからこそたくさん行動・経験していきましょう!
②失敗の数こそ成長につながる
①で紹介したように初心者は量だなと思っていても、なぜ効率や質を意識してしまうのでしょうか?
それは「失敗」を恐れているからです。
失敗した経験の量が多いほど、質は上がっていきます。
自分の失敗経験ほど価値のあるものはありません。
人の話を聞くことは確かに近道になるかもしれませんが、その人にはできたことがあなたに合うやり方とは限りません。
自分で行動して得る経験というのは何倍も価値があります。
また失敗というのは考え方によっては「失敗」にはなりません。
例えば営業活動をしていて「パワポでプレゼンをすると効果的」という情報を聞きつけ、実行したとしましょう。
しかしそれがいまいち効果が出ませんでした。
これは果たして失敗なのでしょうか?
これは失敗でも成功でもありません。
このお客さんには、パワポでプレゼンしても効果が無かったという1つの検証結果です。
効果が出なかったから「失敗」効果が出たから「成功」ではない…
効果が出なかったことを知れたという1つの検証結果なわけです。(感情ではなく数値として)
この場合のこの方法がダメだったと経験値を増やしているにすぎないのです。
経験を自分の頭のデータベースにインプットしそれをもとにアウトプットしていくことが大切です。
要するに失敗した経験が多いほど質は上がっていくのです。
失敗は価値あるものなので、たくさん失敗していきましょう!
※ただし同じ失敗を繰り返してはダメですが…
③完璧主義ではなく6割主義
初心者が陥りやすい考え方である完璧主義です。
初めて資料を作成するのに何時間もかけてデザインやフォントにこだわって完璧だと自分が納得してから上司に提出したとします。
しかし、初心者の完璧と思っている内容は完璧じゃない事が多い。
やり直しを求められたり、更に追加で作成することが増えたりするとやる気もなくなってしまいます。
そもそも「完璧」ってなに?という話になってきますので「完璧主義」という考えは捨てましょう。
完璧主義を捨てて6割主義で行動することが成長の鍵となります。
・A氏:100%の内容を1つ提出
・B氏:60%の内容を3つ提出
どちらがより成長できると思いますか?
B氏の方が得れる経験が多いです。
たくさん行動してたくさん成功してたくさん失敗してこそ質は上がっていきます。
量質転化の法則を使った体験談
最後に私の量質転化をテーマにした転職に関する体験談をお話ししていきます。
私は今まで30代で6回転職経験してきました。一般的には多い回数だと思います。
1回目の転職でハローワークを利用しました。
- 効率を求めて担当者の言う通りに動いていた
- 失敗を恐れて無難な所に応募
- 未経験ではできないと考えて行動できなかった
- 完璧主義で書類作成に時間をかけていた
後から考えると最悪な状態でした。
(そもそもハローワークしか行っていないことがヤバいですが…)
そんな状態でなんとか転職をさせましたが転職先では失敗したなというのが率直な感想でした。
それから『量質転化の法則』を知り今までの考えを全て変えて行動を意識しました。
- 効率を求めいた→泥臭く自分で色々調べて行動した
- 失敗を恐れていた→失敗こそ成長と考えた
- 未経験ではできないと考えて行動できなかった→とにかくやってみた
- 完璧主義だった→6割主義で行動した
今では転職に対しての考え方が変わり周りにアドバイスできるようになりました。
まとめ
量をこなすという行動ですが、職種や業務が変わると意外と忘れてしまうものです。
私自身テレアポ100件の量をこなすことを意識できますが、プレゼンの資料だとその考え方ができなくなり、迷走してしまいます。
誰でも最初は初心者で量をこなすことで速度や質が上がります。
これはどんなことにでも当てはめることができ、どんな職種であっても結果を出すことができると言う事だと思います。
という負のサイクルではなく
量をもって「質」と成す『量質転化の法則』こそ初心者脱却の唯一の方法になります。