PDCAサイクルはもう古い?令和の時代はOODAループとSTPDサイクルが有効
ビジネスシーンでPDCAを回しなさいと言われた経験はありませんか?
ただ令和の時代にPDCAサイクルを回していては少し考え方が合っていない場合があります。
今回はPDCAとは別にOODAやSTPDといったフレームワークについての違いやメリット・デメリット、考え方についてお伝えします。
まずはフレームワークの歴史や提唱した人について理解しておきましょう。
PDCA・OODA・STPDの歴史
あまり知られていませんが、どのフレームワークも歴史が古く、できた背景を知ることで時代に合わせて利用する事が大切です。
1950年代、品質管理の父といわれるW・エドワーズ・デミング氏が提唱したフレームワークです。KPIやKGIなど目標を達成するために作られました。
1970年代にアメリカの空軍戦術が発祥として知られているジョン・ボイド氏が提唱したフレームワークです。意思決定を早く進めることを目的として作られました。
1990年代にソニーの小林茂氏が提唱さしたフレームワークです。物事をありのままの事実として見極めることで思い込みを外した計画を立てることを目的として作られました。
このように目的によって使い分けることも大事ですが、現在ではPDCAが時代に合わなくなってきています。
まずは細かく内容について見ていきましょう。
PDCAの概要
PDCAについては知っていいる方も多いと思いますが改めて意味について紹介します。
・Plan(プラン)
・Do(ドゥー)
・Check(チェック)
・Action(アクション)の頭文字
Plan:計画
目標を設定し達成するために計画を練ります。
・具体的な数値目標に落とし込む
・5W1Hの要素で細かく考える(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)
Do:実行
実際に計画したことを実行します。
・実行したものを進捗や数値を記録する
・時間やコストをはかる
Check:評価
計画や目標通りに進んでいるか進捗を評価します。
・実行したものを進捗や数値を定量的に評価する
・失敗や成功要因を分析する
Action:改善
評価したものや分析結果をもとに次回の対策や改善案を考えます。
・評価に対して改善や継続・中止の判断をします
・成功例を再現できるようにフィードバックします。
PDCAのメリット
・目標や計画に時間をかけてやることが明確になる
・評価をすることで、改善点が浮き彫りになる。
PDCAのデメリット
・分析がないまま目標や計画を決める
・サイクルに時間がかかる
PDCAは古い?
PDCAの歴史でいうと前述したようにそもそも歴史的に古いのですが、ここで言う古いは時代にあっていないという意味です。
PDCAサイクルを回すと言ってもそのサイクルを回すには時間がかかってしまいます。
そこで令和の時代に注目されているのがこのあと紹介するOODAとSTPDです。
概要ついて見ていきましょう。
OODAの概要
続いてOODA(ウーダ)について紹介します。
・Observe(オブザーブ)
・Orient(オリエント)
・Decide(ディサイド)
・Action(アクション)の頭文字
Observe:観察
自ら立案した計画にこだわらず、相手をじっくり観察し理解することを示します。
・既存の市場や競合を知ることで、何を求められているかを考ます。
・柔軟性や臨機応変さが求められます。
Orient:状況判断/方針決定
観察結果から得た情報を分析し、状況を判断して方向性を決めます。
・状況判断のスピードが早いと、方針決定の速度も早まります。
・方針を伝えるスピードも大切です。
Decide:意思決定
方針が決まればどう行動するか具体的な実行計画を決定します。
・自分や組織がどの方向に向かうのか最終確認します。
・効果的な選択肢から絞っていきます。
Action:行動/改善
意思決定したものを実際に行動していきます。
・決定するもののこだわりを持たない事が大切です。
・状況におおじて観察を繰り返します。
OODAのメリット
・現状をしっかり見て判断している
・短期的な目標に向いている
・現場に合わせたスピードが重視される
・サイクルではなく一つ前に戻って
OODAのメリット
・個人の意思決定に任せる部分が多い
・失敗するリスクもある
STPDの概要
続いてSTPDについて紹介します。
・See(シー)
・Think(シンク)
・Plan(プラン)
・Do(ドゥー)の頭文字
See:見る
状況を正しく把握します。市場調査や顧客に商品やサービスに対してヒアリングを行います。
・先入観を持たず、客観的なデータを集めます。
・顧客や消費者の声を集めます。
Think:考える
情報をもとに現状を変える方法を考えます。
・課題を見つけ、解決策を考えます。
・情報を精査しつつ改善策を考えます。
Plan:計画する
考えたことを計画し行動に落とし込みます。
・目標や目的を明確にします。
・数値を用いてより行動しやすくします。
Do:実行する
計画を実行していきます。
・実行したものを進捗や数値を記録する
・時間やコストをはかる
STPDのメリット
・顧客からの情報を集めて客観的な判断ができる
・客観的な分析により、求めているものが具体的になる
・求めているものを計画するため、スピード感がある
STPDのデメリット
・客観的なデータ収集に時間がかかる
・潜在ニーズを引き出すことができない
PDCAとOODA・STPDの違い
PDCAとOODA・STPDの違いについて解説します。
PDCAの場合
基本的には経営層が会議を行い意思決定をおこない決断していきます。
順序を立ててステップを踏んで進めるので、途中で問題があっても後戻りができません。
OODAの場合
現場での判断が多く、スピード感があります。
サイクルではなくループとして考えられています。
一つ前の工程に戻るということも考えられており、業界や時代の変化に合わせてより現場では重要なフレームワークです。
STPDの場合
顧客の情報や現場の情報を大切にしている為、より納得感のある方針が打ち出すことができます。
評価自体も顧客の声として捉えているので、よりブラッシュアップされていきます。
総じてPDCAは現場感・顧客目線・スピード感には対応しきれないフレームワークになります。
そのため令和の時代では市場や現場の変化のスピードが早いため、PDCAサイクルを回していては顧客や現場が求めているものを実現できないことが理解頂けたのではないでしょうか?
もちろんPDCAが活躍する状況もありますし、考え方としては重要なフレームワークになります。
PDCAの考え方ができているのであれば、OODAやSTPDがより今の時代には適用しやすいことも事実として受け止めて習得していきましょう。
まとめ
今回は最近PDCAが使えなくなってきているという背景からOODAとSTPDについて紹介しました。
企業規模が大きくなるに連れて現場と経営層の考え方にギャップがおこってきます。特にターゲットが若者の商品であるのに若者の意見を聞かないというのは時代にマッチしていません。
新しいフレームワークを使うことで新しい発想にたどり着けるかもしれません。