フロー理論とは?チクセントミハイが提唱する8つのメンタルとフロー状態を解説
フロー理論とはアメリカの心理学者チクセントミハイいう人が提唱した理論になります。
仕事をしている時に気づいたらお昼ごはんの時間帯だった!なんてことはありませんか?
すごく集中したことによるゾーンに入ったような感覚を学術的にフローと言います。
今回はフロー理論についてわかりやすく説明し仕事のパフォーマンスを上げるための活用術について紹介していきます。
フロー理論とは?
はじめにフロー理論について解説します。
高いレベルの集中力(フロー)を発揮するために、自己の「スキルレベル」と「挑戦レベル」によって状態が変化する過程を理論化させたものになります。
心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱し「高い集中力(フロー)」はよくスポーツ選手などが使う「ゾーン」と言われるような状態のことです。
フロー理論は、一定の条件を作り出せば意図的にフローに入れると見解が示されている内容となり、自らフローに入ることで高い能力を発揮することや、大幅な技術向上に期待できます。
フロー理論はモチベーションコントロールの最適な処方箋だと言われています。
提唱者のチクセントミハイは「生きる事や幸せとはなにか」を自問自答し「どんな時に幸せを感じるか?」をインタビューした結果たどり着いた心理状態のことをフロー理論と名付けました。
芸術家・音楽家・科学者・スポーツ選手をインタビューした時の共通感覚を言語化
創造的な活動や高い技術力を必要とされる仕事に没頭している時、疲れも感じず、時間の過ぎるのも忘れて活動を続け、永続的な満足感を得られていることを見出しました。
この共通した創造的な心理状態に「フロー」と名付けました。
フローは「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」を指します。
スポーツ選手のインタビューでゾーンについて聞いたことがあるかもしれません。実際にこの理論を用いてゾーンを作り出すことに力を入れている方もいます。
「幸福」「創造性」「主観的な幸福状態」「楽しみ」といった「ポジティブ心理学」を研究対象とする米国クレアモント大学の心理学の研究者
フロー理論の考え方
チクセントミハイはメンタルの状態を8つに定義しました。
図のように縦軸に挑戦レベルの難易度、横軸にスキルレベルの難易度で表現しています。
仕事をイメージをするとわかりやすいです。
もっともいい状態とされているのが、「フロー」部分の状況に持っていく事です。
つまりスキルレベルはそこそこで難易度もそこそこの仕事であればフロー状態にできます。
「覚醒」レベルに持って行けると自身の成長に繋がるゾーンになります。
フロー状態8つの特徴
フロー状態に入るにはどのようなや条件が必要か解説します。
チクセントミハイは、次のような8つの条件を挙げています。
- 目標が明確(何をどうすべきか理解している)
- 挑戦とスキルのバランス(難易度が易しすぎず、難しすぎない)
- 活動のフィードバックを即時受ける (成功か失敗が明確になる)
- 活動に専念と集中ができる(注意散漫を避けて探求する機会がある)
- 活動と意識の融合(自らが活動に取り組んでいる)
- 自己、時間、周囲の状況を忘れる(現実離れした感覚になる)
- 状況や活動を制御できる(自己コントロールができる)
- 活動に本質的な価値や創造性を見い出す(活動が苦にならない)
全てを満たす必要はありませんが条件が組み合わさることでフロー状態に入ることができるとされています。
ビジネスでフロー状態になる5つのポイント
仕事でフロー状態にするにはどうすればいいでしょうか?8つの条件のうち5つのポイントをおさえる事で、ビジネスでも応用することができます。
ビジネスにおいては目標が明確でないといけません。
曖昧な目標ではどこに向かえばいいかわかりません。
達成するために必要なことを数値化や棚卸しができれば目指すべき事が明確になります。
考え方として挑戦は今やっている事の量を増やしてみたり、スキルの場合は何段階あるのかを書き出して見えるようにするといいでしょう。
行動したことに対してどうだったのか?すぐに確認するようにしましょう。
上司であったり自分が尊敬する人にフィードバックをもらうことが大切です。
周りが気になってしまっては集中できません。
せめて机の周りはキレイにしたり、机を囲んで集中できるような環境を作りましょう。
上司に指示ばかりを受けていはフロー状態に入れません。
自ら提案して取り組む事が大切です。まずは上司に言う通りにやってみて、改善が必要であれば相談することで、自ら取り組めます。
5つができる状態になればあっという間に時間が過ぎている感覚がつかめます。
また自分自身のモチベーションも上がります。
フローが仕事に与える影響
フローの状態にはいれば仕事も充実し自己成長にも繋がります。
しかしチクセントミハイは平均的な労働者はフロー体験をしにくいだろうと述べています。
その理由として
・今日の仕事には明確な目標がほとんどない
・適切なフィードバックがめったになされない
・スキルが機会にうまく適合していない
確かにこのような状態ではフローに近づくことはできません。
個人レベルでは対応できないことも多いです。環境自体を変えないといけない場合もあります。
・本当にしたい仕事ができているのか?
・自分は半年前より成長できているのか?
・周りになりたい上司や先輩はいているのか?
もし自問自答した時に解決できない状態だと感じるのであれば一度転職を考えてみてもいいかもしれません。
まとめ
今回はフロー理論について解説しました。
いつでも時間を忘れる程集中できればきっとその時に大きな成長に気づくはずです。
そんな時は時間の大切さに気づことも多いです。アウトソーシングできる部分はしてしまう方が効率がいいことも多いです。うまく時間を使って、自分の成長に繋げていきましょう。