アンカリング効果とは!?実際の使用例と騙されないための感情コントロール
アンカリング効果を聞いたことがあるでしょうか?
ノーベル賞を受賞した『行動経済学』で用いられる用語です。
アンカリング効果とは!?
アンカリング効果とは、最初に見た数字を基準に考えることで、その後に提示された数字への認識が異なるという現象です。
買物をする時に”高いなー”と感じることがあると思いますが、本当にその商品は高いのでしょうか?
- 商品やサービスが料金に見合う価値はなかったのでしょうか?
- 自分が持っているお金の量で判断している事はありませんか?
こういった数値がアンカリング効果につながっていきます。
価値観と感情
私たちは何か買い物をする時「無駄遣いはやめよう」「なるべく安く買おう」と考える人は多いと思います。
ですが安くていい商品を買ったと思っても、それが粗悪品で何度も修理に出したり、返品したりと余計な時間がかかって残念に思った経験はないでしょうか?
「感情」が入ってしまうと価値の判断がおかしくなってしまう事があります。
ミニマリストで普段は倹約家の人も自分の「時間」を生み出すためであれば高価なロボット掃除機や全自動乾燥洗濯機を買う人もいます。
高くても長く使える物や効果の高さを判断して物を買うという価値観の人もいます。
感情はお金や商品・サービスの価値までも変えてしまう事があるのです。
日常生活の中ではこのようなことが頻繁に起きておりお金の価値を変化させているのです。
いやいや「そんなことはない」と思った方は次の質問で感情がお金の価値を変える瞬間を試してみてください。
お金と向き合う時の考え方次第でムダ遣いがなくなり必要な物が見えてきます。
アンカリング効果の質問
あなたなら、どうするか?次の質問に答えてみてください。
もうすぐ子どもの誕生日です。
子どもに頼まれておもちゃを買いに行きました。そのおもちゃが3,000円で売られています。
購入しようとした時に「歩いて10分のお店で2,000円で売っているよ」と家族に言われた場合、あなたはどうしますか?
そのまま買いますか?安いほうのお店にいきますか?
あなたは前から買い替えたいと思っていたパソコンを買いに行きました。
欲しい機種が195,000円で売られています。
ボーナスも出たし買うことにしましたが一緒に来ていた友人に「歩いて10分のお店では194,000円で売っているよ」と言われました。あなたはどうしますか?
そのまま買いますか?安いほうのお店にいきますか?
この2つの質問に対してそのまま買うか、安い方に行くか考えて見て下さい!
どういった答えになったでしょうか?
多くの場合
・質問1では安いほうの店を選び
・質問2では行かないと答えます。
どうしてでしょう?得をするのは同じ1,000円です。
・質問1では1,000円も安くなる!と思い
・質問2ではたった1,000円か…と思ってしまう。
1,000円の価値を時には過大に評価し、その逆で過小してしまうこともあるのです。
この正体は先程伝えた『感情』によるものなのです。
ではなぜ『感情』でお金の価値を変えしまったのは なぜでしょうか?
それは3,000円・195,000円と1,000円を相対的に比べてしまったからです。
相対的に比べると感情が邪魔しお金の価値を変えてしまいます。
おもちゃやパソコンの値段に関係なく他のお店へ行くための労力が1,000円に見合っているかを考えてしまったからではないでしょうか?
このようにある商品(サービス)の値段を基準にその数値がその後の判断に影響を与える事で『アンカリング効果』を実感できたと思います。
アンカリング効果を使ったビジネス
アンカリング効果がよく使われているのがアウトレットショップなどです。
タグには元値と現在の値段が書いてありお客さんに「安い!」と思わせます。
「安い!」と思っても実際は店頭で人気がなく売れなかったので、在庫処分をしているのです。
ついつい元値と相対的に比べてしまうのですが、このクセをやめて買おうとしている物に対して本当にお金を出していいか価値を判断する事が大切です!
高価な商品は落とし穴
金額の大きい買い物は特に注意が必要です!
やはり高額な買物では得に失敗したくないですよね。
大人になると自動車や住宅など大きな買い物をする機会が増えてきます。
例えば自動車を購入する場合、250万円の車に少しオプションを付けて253万円になりました。
250万円が253万円になったところで大して変わらないか…なんて感じませんか?
250万円が基準(アンカー)となり3万円が小さく見えてしまっています。
ですが普段の生活の中で突然3万円の出費が発生したら大きな痛手になるはずです。
自動車の購入でも普段の生活費でも3万円の価値は変わりません。
どうすれば判断できるか?
ここでは基準になっている金額(250万円)という金額を一旦忘れましょう。
追加で支払うことになる3万円と向き合い、
「その3万円は本当に支払う価値があるのか?」
「もっと有意義な使い方や必要なことに使えるのではないか?」と自問自答します。
3万円をいきた出費にするか?ドブに捨てる事になるか?はあなた次第です。
セールストークにも注意
店員さんのセールストークや感情に流されずお金としっかり向き合いましょう。
すごく買いたいと思っていても、翌日にはやっぱり必要ないと思う事はよくある事です。
まとめ
『アンカリング効果』は日常のどこにでもあり誰もが経験しています。
それは私たちの感情にいつの間にか働きかけお金の価値を無意識に変えてしまいます。
感情でお金の価値を変えてしまうなんてとっても不合理ですよね。
不合理な判断をしてしまう感情に負けない為に基準となる数値と相対的に比べるのをやめる。
学校ではお金の勉強をする事がほぼありません!『お金』と向き合う為に勉強していくのは必要なことです。