ビジネスメール連絡の伝達率は56%…伝わる工夫6つのポイント
社内での連絡はチャットツールを使う機会が増えて来ましたが、社外での連絡ツールとしてはメールでのやり取りが多いかと思います。
振り返ってみると伝わり方が曖昧でスケジュール通りにいかない経験はお持ちだと思います。
この研究結果はシカゴ大学・ニューヨーク大学・イリノイ大学の教授が「メールで自分の考えはどれだけ相手に伝わっているか?」 というテーマで共同研究した結果になります。
メールでのやり取りは記録として残るため、当分はなくならない連絡ツールだと思います。相手にしっかりと伝える事で仕事をスムーズに進めていきましょう!
メールの伝達率
まずは研究結果を少し深堀りしていきます。特定の内容をメールか音声で伝えた時どれだけ正確に相手に伝わるか調べた結果を紹介します。
伝える側の意見で「これくらいは伝わるだろう」という予想の数値としては78%という結果でした。
音声での伝達は5%とほぼ変わりませんがメールでは20%もダウンしてしまいます。
数値で見れば自分の考えは相手に伝わっていない事が理解できます。しかしメールを受け取った側の感覚としては「90%正しく内容を理解している」と感じているようです。
この大きなギャップを理解していないままただメールを送っていると問題が起きるのは当然です。
メールを送った後に毎回電話の連絡ができれば正確に伝わっているか確認ができますが、そんな状況ばかりではないと思います。
そこで可能な限りギャップを埋めるためには相手に理解してもらえるように送り手が「伝わる工夫をする」ことが大切です。
自分では正確に伝えたつもりでも 相手が理解できていなければそれは真に「伝わった」とは言えません。
特にメールはお互いに声や表情が分からないため 対面や電話よりも一層伝わりにくいものです。
そこでビジネスの場で「相手に伝わるメール」を書くための工夫について6つ紹介します。
1.件名で想像させる
まず初めに件名を見た時点で何の内容かが想像できるタイトルにすることが必要です。
件名が「ご依頼について」など抽象的なメールであればその時点で伝えたい内容とのズレが発生します。
✕ご依頼について → ○プレゼン資料作成のご相談
このように見る前にほとんど内容を理解できる為、本文を見なくても添付しているであろうプレゼン資料を見に行く事ができます。
2.開封後に1秒で内容把握
WEBページの世界では開いて1秒でお客さまの心を掴めと言われますがメールも同じ部分があります。
件名を見た時点である程度内容が想像できていれば開封して1~2秒でメール内容を把握できます。
そうすることで次のアクションがしやすくなります。
〇〇様
いつもお世話になっております。
先日の◯◯の件で、下記2点ご確認いただきたいことがございます。
大変恐縮ですが、○月✕日までにご返信いただけますでしょうか?
1.△△の表記について
(内容)
2.□□のスケジュールの確認
(内容)
よろしくお願いいたします。
この書き出しであればメールの受け取り手は「◯◯についての質問に○月✕日までに返信するんだな」とすぐに理解できます。
冒頭にアクション内容を伝える事で受け取り側はその心づもりでメールを読み進めます。
例文の内容であれば確認事項に対して返信するつもりで考えながらメールを読むので求められているアクションを取りやすくなります。
3.テンションはいつもの2倍
メールで書き手の意図が伝わりにくい原因の一つが喋る時と同じように伝わると思っている部分があります。
メールを書いている時、頭の中ではいつも喋っている時のような口調やテンションを想像しながら「書きたい内容」について考えています。
本人は普段喋っている時と同じように相手に伝わっていると思ってしまうのです。
しかし実際に書き手のテンションは文章からは伝わりにくいものです。
受け取り手は文字を目で追っているだけなので 「棒読み」で聞こえているのと同じです。
そうすると書き手の想像以上に冷静に聞こえる可能性があるので「感情」を加えることが重要です。
・何卒、よろしくお願い申し上げます。
・どうぞよろしくお願いいたします。
・引き続き、よろしくお願いします!
いずれも同じ内容ですが「聞こえ方」が違うはずです。
必要以上に言葉を盛り込む必要はありませんがいつもより3倍くらい高いテンションを意識して メールを書くと良いです。
ちなみにメール上では仲の良い友人同士でも初対面同士でもどちらも60%程度しか感情が伝わらないそうです。
そのため友人同士でもメールやラインを打つ時は喋っている時より高いテンションの方が良いかもしれません。
4.見やすさが大切
メールは見やすさが大切です。丁寧な文章でも一文が長かったり、改行が少ないために見づらいと感じるメールがあります。
文字がびっしり詰まっている役所の文書のようなものは読む気にならなくなります。
書いてあるから読んでない方が悪いという考えは間違いです。
2~3行でまとめて改行し多くても4行迄にしないと読みにくくなります。
最近はスマートフォンでメールをチェックされる方が多いので1行は20〜25文字までにすると読みやすくなります。
下記の例は同じ内容について「文章のみで伝えた場合」と「ビジュアルで伝えた場合」の例です。
・文章の場合
発送先の郵便番号・ご住所・お名前・お電話番号につきましてお教えいただけますと幸いです。
・ビジュアルの場合
お手数ですが発送先のご情報をお教えいただけますでしょうか?
========================================
■郵便番号 :〒
■ご住所 :
■お名前 :
■お電話番号:
========================================
ビジュアルで見せると、相手が自分に何をして欲しいか一目で理解できます。
パッと見て分かりやすいと伝わりやすくなるのです。
ビジュアルで伝える際のポイントをまとめました。
①長文は避け、必要であれば箇条書きにする
②重要な部分だけ罫線(====)などで区切る
③記号(▼◆●など)を利用し小見出しをつける
④区読点「、」「。」は最小限度にする
⑤1行は15文字~35文字程度にとどめ長くなる場合は改行する
5.エビデンス(証拠)を残す
メール連絡のメリットは以下の通りです。
・履歴が残る
・大勢に一斉に伝えることができる
・コミュニケーションのミスを減らせる
コミュニケーションのミスを減らせることはここまでの話と矛盾しているように思えますが、これがメールの大きなメリットなのです。
例えば
・電話でアポイントメントをとった時
・打ち合わせで次回までにやることが決まった時
そういう時にはすかさずメールで今決まったことを文章にまとめて送ります。
すると自分の頭の整理ができるだけでなく相手へのリマインドにもなります。
文字にすることで改めてお互いに確認ができ認識のすれ違いを防ぐことができるのです。
6.言葉遣いは心遣い
最後に一番大切な言葉遣いです。その人が使う言葉は その人を映す鏡です。
・乱暴な書き方をしていないか?!
・相手に誤解を与える表現を使っていないか?
・敬語がめちゃくちゃになっていないか?
・知らず知らずのうちに強い言葉を選んでいないか?
そんなつもりはないのに上から目線と思われることもあるかもしれません。
過度に敏感になる必要はありませんが受け取り手がどう思うかを考えながら書くことを意識して入力しましょう!
どんなビジネスパーソンでも一日に何通もメールを読んでは書いています。
その中で正確に内容を伝えるためには、あなたらしい文章を作成することも大切です。言葉を選んで良い印象を持ってもらいましょう。
まとめ
6つのポイントについて紹介しました。
ポイントを活用して相手に伝わるメールを書いてみてください。
今回のデータで意外だと思ったのは 実は音声でも自分の考えは73%程度しか伝わらないということでした。
確かにすごく感動したことを伝えたのに冷めた返事がきたり、こうだと言っているのになぜか違うことを聞き返してくると言ったこともあると思います。
喋っていても伝わらないことがあるのに文字だけで完全に理解してもらう事は難しいものです。
100%理解してもらうことは困難でも可能な限り100%に近づけようとすることはできます。
毎日のメール連絡もちょっと工夫するだけで円滑に仕事が進むようになるかもしれません。
「伝える事」と「伝わる事」は違うとよく言われる言葉です。
伝わる文章を磨いて仕事ができるビジネスパーソンを目指しましょう。
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