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キャリアコンサルタントの需要がなくなる?将来性がないと言われる原因

キャリアコンサルタントは、個人の職業選択やキャリア形成を支援する専門家です。

働き方が多様化する現代において、個々の価値観やライフスタイルに応じたキャリア設計のサポートが求められています。

一部では、AIの進化や自己分析ツールの普及により、キャリアコンサルタントの役割が減少するのではないかとの懸念があります。

また、資格取得後の就業機会の少なさや、業界内での認知度の低さも課題とされています。

本記事では、キャリアコンサルタントの現状と将来性について、多角的な視点から分析し、今後の展望や必要なスキルについて考察します。

目次

キャリアコンサルタント需要がなくなる?と言われる理由

近年、キャリアコンサルタントの将来性について懸念する声が一部で上がっており、「需要がなくなるのではないか」との見解も耳にします。

実際に令和3年度、4年度のキャリアコンサルタントの更新は約3割は更新していないのが現状です。

参考引用:厚労省「キャリアコンサルタント登録制度等に関する検討会報告書」より


ではでは、なぜそのように言われるのでしょうか。主な理由は以下の通りです。

1. AIや自動化ツールの台頭

AI技術の進化により、職業適性診断や自己分析ツール、履歴書作成サポートなどが高度に自動化されています。これにより「人によるキャリア支援は不要になるのでは?」という見方が広がっています。

2. 自己解決志向の高まり

インターネットやSNSの普及により、求職者自身が情報を収集し、自分に合った職業や働き方を探すことが容易になっています。そのため「わざわざキャリアコンサルタントに相談する必要がない」と感じる人が増えています。

3. 資格取得者数と実務機会のギャップ

国家資格化されたことでキャリアコンサルタントの資格取得者は年々増加していますが、実務として活躍できる場が十分に整備されていないという声もあります。その結果、「資格を取っても仕事がない」との印象を与え、将来性を疑問視される一因となっています。

4. 職業としての認知度・信頼度の課題

キャリアコンサルタントの社会的認知度は、他の専門職(例:公認心理師や社会保険労務士)に比べてやや低く、「何をしてくれるのか分からない」といった伝わりづらさがあります。この認知の低さイメージのなさが「需要がない」との誤解を生みやすくしています。

キャリアコンサルタントの現状

さまざまな理由により課題はありますが、実際のキャリアコンサルタントの現状についてみていきます。

キャリアコンサルタントとは

働く人やこれから働く人に対して、進路や転職、スキルアップなどの相談に応じ、より良いキャリアの選択ができるようサポートする「キャリアコンサルティングを行う専門家」です。2016年より国家資格として制度化されており、企業、学校、ハローワークなどさまざまな場所で活動しています。

1. 企業におけるキャリアコンサルタントの位置づけ

近年、多くの企業が「人的資本経営」や「キャリア自律」を推進しており、従業員のキャリア形成支援に力を入れています。

特に大企業では社内キャリアコンサルタントを配置し、社員の定期的なキャリア面談やスキル開発支援を行う動きが広がっています。

一方で中小企業では、そのような体制がまだ整っていない場合も多く、外部コンサルタントの活用にとどまっているケースもあります。

活動頻度の単純集計についても見てみましょう。

キャリアコンサルタントの活動状況(7586人対象)

活動頻度人数割合
ほぼ毎日活動している2,153人28.4%
週2~3回程度活動している708人9.3%
週1回程度活動している374人4.9%
月に2~3回程度活動している530人7.0%
月1回程度活動している243人3.2%
不定期に活動している1,325人17.5%
活動していない2,253人29.7%
引用:労働政策研究報告書No.227『第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査』

キャリアコンサルティングにおける現在の主な活動の場(7586人対象)

主な活動の場所割合
企業32.6%
教育機関(就職支援やキャリア教育)17.1%
需給調整機関(人材派遣会社やハローワーク、転職エージェント等)13.5%
地域支援(地域若者サポートステーション、女性センター等)5.3%
その他7.3%
無し24.2%
引用:労働政策研究報告書No.227『第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査』

2. 現在の市場規模と需要の実態

キャリアコンサルタント資格保有者は累計で79,604万人(2025年4月末時点)と増加傾向にあります。

しかしながら、資格を持っていても「専業キャリアコンサルタント」として活動している人はごく一部で、副業やボランティア的な位置づけの人も多いのが現実です。

市場全体としては、潜在的な需要がある一方、制度的・経済的な支援が不足しているとも言われています。

キャリアコンサルタントの推移

年号登録者数(累計)
平成28年度(2016)25,518人
平成29年度(2017)33,817人
平成30年度(2018)41,842人
令和元年度(2019)50,376人
令和2年度(2020)54,534人
令和3年度(2021)58,886人
令和4年度(2022)64,160人
令和5年度(2023)70,826人
令和6年度(2024)77,204人
引用:国家資格キャリアコンサルタント登録センター

3. キャリアコンサルタントが抱える課題

  • 収益性の低さ:個人相談の報酬単価が比較的低く、持続可能な収入源として確立しにくいという声があります。平均年収も300万円~400万円の年収帯が多い結果となっています。
  • 活動範囲の限定:職場・学校・地域など活動フィールドは多岐にわたりますが、そのすべてで十分な認知と信頼を得ているとは言い難い状況です。
  • スキルのアップデート不足:制度上、5年ごとの更新制で研修が義務付けられていますが、実務経験が少ないまま更新を迎えるケースもあり、質の担保が課題視されています。

キャリアコンサルタントは働く人々のキャリア形成や職業選択を支援する重要な役割を担っており、一人ひとりが自分らしい働き方や生き方を模索する中で、その専門的支援が注目を集めています。

一方で課題が多いのも現状です。

キャリアコンサルタントの将来性

働き方や将来の生き方に対する考え方が多様になる中で、「キャリア」に関する意識が高まりつつあります。そうした流れの中で、一人ひとりのキャリア形成を支援する「キャリアコンサルタント」への関心も徐々に広がってきています。

キャリアコンサルタントに期待されている役割や将来性について紹介していきます。

1. 人的資本経営への対応

企業が従業員を「コスト」ではなく「資本」として捉え、成長やキャリア開発を支援する方針を強めています。その中で、キャリアコンサルタントは以下のような役割を担うことが期待されています。

  • 社員のキャリア面談の実施
  • 中長期的なキャリアプラン支援
  • モチベーションやエンゲージメントの向上支援

2. 働き方の多様化へのサポート

副業、フリーランス、パラレルキャリアといった多様な働き方が広がる中、それぞれの状況に応じたキャリア設計の支援が求められています。

  • 多職種や兼業のキャリアパス相談
  • 働く場所や時間の選択肢に対応するライフプラン設計
  • 新しいスキルや職業の選択肢に対する情報提供と助言

3. 人生100年時代のキャリア支援

長寿化に伴い、「定年後」や「リカレント教育(学び直し)」を含めたキャリア支援が重要になっています。

  • 中高年の再就職支援
  • 60代以降の社会参加支援
  • 長期的視点での人生設計のサポート

4. 若年層・学生へのキャリア教育

中学・高校・大学などの教育現場でも、キャリア教育が重要視されています。

  • 将来設計や進路選択の相談
  • 職業観の形成支援
  • 自己理解を深めるワークショップや面談

5. メンタルヘルスとの連携支援

仕事上のストレスや不安、職場の人間関係に関する悩みは増加傾向にあり、キャリア支援とメンタルサポートの連携が期待されています。

  • 傾聴をベースにした安心できる相談対応
  • 心理的支援の初期対応や適切な機関への橋渡し
  • バーンアウト予防や職場定着支援

キャリアコンサルタントに求められるスキル

キャリアコンサルタントとして将来性があるもののスキルも求められています。下記のスキルは今の時代には必要なスキルです。

1. 傾聴力

相談者の話を丁寧に聴き、言葉の裏にある感情や価値観を理解する力です。表面的なやりとりではなく、深層的な課題や希望を引き出すために不可欠です。

2. 質問力・対話力

適切な問いかけによって、相談者が自ら気づきを得られるように導くスキルです。誘導せずに、気づきを促す「オープンクエスチョン」の活用が重要です。

3. 自己理解・他者理解を促す力

性格診断やキャリア理論、ワークシート等を活用して、相談者が自分の強みや価値観を把握し、他者との違いも理解できるよう支援します。

4. キャリア理論や発達理論に関する知識

シューパートやスーパー、ホランド、サビカスなどのキャリア理論に関する基礎的な理解が求められます。理論を背景にした客観的なアドバイスが信頼感につながります。

5. 労働市場や職業情報に関する知識

求人動向や職業分類、業界のトレンドなどを把握し、現実的で適切な助言ができる能力です。特に転職支援や再就職支援では重要になります。

6. 倫理観・中立性

相談者の自己決定を尊重し、個人的な価値観を押し付けないことが大前提です。守秘義務や信頼関係の構築も含め、職業倫理の遵守が求められます。

7. ITリテラシー

オンライン相談やWebツールの活用が一般化する中、ITツールを使った面談や資料提供に対応できるスキルも必要です。

まとめ

キャリアコンサルタントは、個人のキャリア形成や職業選択を支援する国家資格の専門職です。働き方や価値観が多様化する現代において、その役割はより重要視される一方で、「需要がなくなるのでは?」という懸念もあります。

その背景には、AIや自動診断ツールの台頭、資格取得者の増加と実務機会の乏しさ、社会的認知度の低さといった課題が挙げられます。

しかし、実際には企業内キャリア支援の広がりや人的資本経営への移行、人生100年時代におけるキャリア再設計の必要性など、多方面からの期待が高まっています。

実情としては、資格保有者のうち日常的に活動している人は全体の3割程度にとどまり、年収もキャリア支援に特化した場合は300万円台が中心です。

とはいえ、今後は副業・独立の可能性や教育・地域支援への展開、ICTの活用などを通じて活躍の場を広げる余地があります。

キャリアコンサルタントとして長く活躍するには、継続的なスキルアップが不可欠です。傾聴力、対話力、キャリア理論や職業情報の知識に加え、相談者に寄り添う倫理観やICTリテラシーも求められています。一緒にスキル研磨していきましょう!

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