キャリアコンサルタント実技で落ちる人の特徴5選とその対策法

キャリアコンサルタント試験の中でも、多くの受験者がつまずくのが「実技試験」です。
「しっかり話せたと思ったのに不合格だった…」「どこがダメだったのか分からない」という声も少なくありません。
実技試験は知識だけでなく、“相談者に寄り添う姿勢”や“対人スキル”が問われるため、油断は禁物です。
最後に実体験も含めて記録しています。これから試験を受ける方の参考になれば幸いです。
キャリアコンサルタント実技試験の概要
簡単に試験の概要についておさらいしておきます。
国家資格「キャリアコンサルタント」を取得するための2次試験で、実技=相談スキルと理論の実践力を評価されます。
試験構成(3つのパート)
実技試験は3つで構成されています。それぞれ別のスキルを問われているため、勉強には苦労すると思います。
① ロールプレイ試験(面接試験):15分
- 受験者がキャリアコンサルタント役を担当。
- 試験官が「相談者」役を演じる。
- 模擬相談として1回限りの面談を行い、相談者との関係構築や問題把握、方策の方向性などが評価されます。
② 口頭試問:5分
- ロールプレイ終了後、試験官から数問の質問があります。
- 面談の内容について、「相談者の主訴は?」「どうしてその対応をしたのか?」など、理論とプロセスに基づいた説明を求められます。
③ 論述試験:50分
- 事前に別室で受験(ロールプレイとは別日・別時間の場合あり)。
- 相談事例を読み取り、相談者の課題・支援方針・対応方法について記述。
- 文章力や論理性も評価対象。
このうち①②のパートで落ちてしま人の特徴や理由について紹介してきます。
理由①色々調べすぎる(=頭でっかちになる)
試験前になると情報収集することが多いと思いますが、情報に惑わされすぎていて本来のポテンシャル以下になる人がいます。
私自身も「この人は合格するだろう」と思っていた人も久しぶりに会うと謎の理論や質問でよくわからない状態になっていました。
- 理論や技法を勉強しすぎて「正解を出さなきゃ」と思い込み、目の前の相談者を置いてきぼりに。
- スクリプト通りに会話しようとして、柔軟性を失ってしまう。
落ちる理由
→ 試験では「理論の手法を使う場」ではなく、「目の前の相談者に合わせた実践力」が評価されます。調べすぎたことで、色々なことを実践するのは危険です。
対策:ひとつだけ信用する
知識より目の前の相手に集中する練習が重要です。以下のことをポイントに対策をとってきましょう。
- 教材やお手本とする人は絞って、その内容のみで勝負しましょう。
- 理論や手法を完全にマスターしようとせず、「大枠だけ押さえておき、実践で慣れる」ことを意識しましょう。
試験の相談内容は大体予想することができます。例えば相談者役は女性や年齢も40代以降の人が多いです。
そのため、学生の相談や男性は少ないため、対策としても女性中心に絞るなど、何でもかんでも練習すればいいとは限りません。
理由②傾聴できていない(=表面的なやり取り)
試験ではなんといっても「傾聴」が必要なスキルですよね。これは普段から聞く力が重要だと思っている人は普通にできるのですが、「話を聞いてほしい」フェーズにいる人は注意が必要です。
- 相槌は打っているが、相手の感情や価値観に深く寄り添っていない。
- 自分が話すことに意識がいってしまい、相手の話を受け止めきれていない。
落ちる理由
→ 面談の基本は「共感・受容」です。頭ではわかっていても、できていない人を見る機会が多かったです。信頼関係が築けていないと判断され減点対象になります。
対策:役を演じる、真似する
まずは役になりきるという感じで挑むのがちょうどいいです。またできていると感じる人の真似を完全にしてみましょう。役者がセリフを覚えるようなイメージです。
- 共感の言葉+感情への反応(リアクション)を大げさにする。
- 例えば「そう思ってしまうのも無理はないですね」「それはつらかったですね」といったフレーズ言葉を準備しておく
1人で練習する場合は、YouTubeで動画を確認して、セリフをその通りに実践してみることが大切です。またなるべく練習相手は初めての人にお願いするようにしましょう。慣れてくるとあんまり意味がないことが多いです。
理由③思い込みが激しい(=決めつけの対応)
これはなかなか自分でも気づきにくい問題です。今までの経験則がある人ほど陥りやすいため、自分のために意見色々と言ってくれる人を探すことも大切です。
- 「この人はこういう悩みだろう」と決めつけて話を進める。
- 相談者の言葉の奥にある背景を確認せず、自分の仮説で面談を組み立ててしまう。
落ちる理由
→ キャリアコンサルタントの試験では「答えを与える」のではなく、「答えを引き出す」ことです。そこを勘違いすると相談者の意図に気づけません。
対策:フィードバックを受け止める
これは相手がどう感じたかが大切になります。一人のフィードバックを受けるのではなく色々な人の意見を聞き、素直に受け止めるしかありません。
- 「きっと〜と思ってますよね」と断定した言葉を避ける
- 「〜という気持ちもあるのかもしれませんね」と仮説+確認で話す
事実と感情をわけて考えることができると思い込みを防ぐことができます。苦手な人はメモや記録することをおすすめします(例:事実=退職、感情=不安・孤独)。
理由④ 話しやすい質問ができていない(=問いが不自然)
話すことがなくなり、意味不明な質問や深堀りしたいと思って質問する人がいますが、試験官もある程度準備や方向性を考えています。流れがおかしくなっている人がよくいます。
- 「何が問題だと思いますか?」のような想定外の深堀りになりがち。
- 質問が抽象的過ぎて相談者が答えにくい問いかけをしている。
落ちる理由
→ 試験では「話を促す質問」「感情に寄り添う質問」ができているかが評価されます。質問スキルが低いと展開に乏しくなります。
対策:困った時の質問集を用意する
試験官によってはずっと話す人もいれば少ししか話をしてくれない人もいます。そのため事前に汎用的な質問を用意することで安心することができます。
- オープンクエスチョン+具体例で話す。
- 「答えやすく・自由に話せる」ものを持っておく
「開かれた質問→閉じた質問」への言い換えをノートに書き出して練習。
例:「好きですか?」→「どんなところが好きですか?」
必要最低限な質問や相手が色々と喋ってくれそうな質問をするだけで意外と時間が過ぎていきます。それでも試験には合格できるので、質問にはこだわりましょう。
理由⑤ 態度や状況にビビる(=不安定なメンタルで挑む)
養成所やオンラインなどでロープレをしていると大抵の人がいい相談者になってくれます。いざ本番を迎えると冷たい態度や反応の悪い試験管にあたることもあります。そんな状況で普段の力を発揮できないことがあります。
- 声が小さい、笑顔がない、視線が合わない、姿勢が固い。
- 緊張が強すぎて相談者との関係が築けない。
落ちる理由
→ 非言語(態度・表情・声のトーンなど)は信頼形成に直結します。面談者としての「安心感」が与えられないとマイナス評価になります。
対策:厳しい対応のロープレをする
あえて厳しい態度であったり、無愛想なパターンでも練習をしておきましょう。本来の力を出せずに後悔する人は多いです。
- どんな人でも声や姿勢を変えないように練習
- 緊張はするものとして「笑顔」「うなずき」を意識してできる状態にすること
明らかに話すことが苦手な人はキャリアコンサルタントを目指すことはないかと思います。そのため、いつも通りができることが大切です。また知らない言葉が出てくるとテンパることがあると思います。そこはスルーして落ち着くことが大切です。
この5点は「初心者・独学者・緊張しやすい人」にとってかなり高い頻度で見られる落ちる理由です。合格者は割合で落ちることもあるため、気を抜かずにライバルと差をつけましょう。
実際の体験談

最後に私の体験を赤裸々に紹介しようかと思います。
2024年10月にヒューマンアカデミーの養成講座に通い、2025年第27回の試験に合格しました。
養成講座を受ける段階から
「どうしたら資格が活かせるか考えたり」
「どんな人が受けているのか気になって、他の校舎を3校まわってみたり」
「プレゼン発表を作り込んでみたり」
「最短の勉強法を考えたり」
ちょっと変わった感じで受けたのである程度の参考にしてもらえればと思います。ただ知識も経験もほとんどない状態から、効率的に短い時間で合格することを目指していたのでそのあたりは参考にしてみてください。
実技の勉強時間
学科試験に不安が多かったので、養成所を卒業した後は論述と実技の練習はほとんどすることがなかったです。
・論述練習は学科試験前の4日程度
・実技練習は学科試験終了後の3/3~3/16の約2週間の勉強をしました。
この2週間はほとんど実技の学習していたので、結構大変でした。ただ同じように受かっている人も結構実技はギリギリに追い込んでました。
ロープレ回数は合計で10回程度し、養成所のメンバーと対面で8回、オンラインで2回受けました。
少ないかなと不安もありましたが、聞く体制ができている人であれば十分な回数かと思います。
論述・実技の勉強方法
論述に関してはは過去問と回答例をひたすら見て、書くということをしました。最初は全然書くことが思いつかなくてかなり焦りましたが、何度も見ていると傾向を掴んでいけました。一気にすべて回答するのではなく1問ずつ繰り返したのがよかったと思います。
実技に関してはYouTubeを見て、同じ題材でロープレをお願いしました。
最初はびっくりするくらいできなかったですが、いいフィードバックや動画を見て振り返ることをしました。
録画をとった時の自分の不甲斐なさに落ち込みましたが、何度も繰り返して調整しました。
試験当日の状況
論述は全体を通して練習する機会がなく部分的な対策を取っていました。
また普段「書く」という行為がほとんどないため、文章書きすぎると痙攣したり、筋肉痛になるので、あまり長く書くことをしませんでした。
そのため当日は案の定、プルプル手が震えて、かなり汚い字だったと思います。(普通に書いても汚いのに)
しかも時間も足りず、4問目は1行しか書けませんでした。
ただ内容は基本は抑えられたかなと思ったので、部分点で助けられたのかと思います。
ここは同じく「書けなかった」と嘆いていた同期も同じ点数だったので、間違いないかなと思います。
逆にきっちり書いていた人で、私より優秀だと思ってる人の点数が低かったのは未だに謎です。
試験当日の対策
昼休憩には同じ学校の仲間と話をしていて、「学生の論述がでる」と予想していました。まんま出たので、それに救われた人もいました。笑
まとめ
この内容が、これから実技試験に臨むあなたの一助となれば幸いです。
- 知識よりも目の前の相手を見る
- “共感”と“リアクション”は大げさなくらいでちょうどいい
- 仮説はあくまで仮説。確認を忘れずに
- 質問力は武器。ストックして臨め
- 本番を想定した練習で緊張に強くなる
ここでは記載できない内容もあるので、もっと効率的に短い時間で合格したいと言う方はココナラよりご相談ください。
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