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自分に合う仕事が分かる?理論家ホランドの六角形モデルとは

多かれ少なかれ誰でも、自分自身のキャリアを選択する際に、自分の興味・関心や適した環境を考えることはありますよね。

さまざまな職業選択の理論の中でもパーソナリティのタイプに着目し、個人と環境の相互作用を強調したのがホランドです。

現在でも職業興味検査(VPI)や大学生向けの進路選択支援ツール(SDS)などに利用されており、身近な存在であるホランドの理論についてご紹介します。

目次

ジョン・L・ホランドとは?

ジョン・L・ホランドはアメリカの心理学者であり、職業カウンセラーとして仕事をする中で「気づき」を大切にした理論家になります。

個人の行動様式にはその人の好みや志向性のタイプなどが反映されているという理念を背景として、次の「4つの仮定」を理論の骨子としました。

4つの仮定
  1. 個人の行動は、その人のパーソナリティとその人を取り巻く環境との相互作用によって決定される。
  2. 個人のパーソナリティは、現実・研究・芸術・社会・企業・慣習的という6タイプに分けられる。
  3. 環境もパーソナリティと同様の6つのタイプに分けられる。
  4. 人間は、自分の役割や能力を発揮し、価値観や態度を表現し、かつ自分に合った役割や課題を引き受けてくれる環境を探し求める。

要約すると「同じタイプに属する人と環境の調和的相互作用が、より安定した職業選択、より高い職業適応をもたらす」として、パーソナリティ(個人の職業興味)と環境(職場の環境)のタイプを6つに分類し、個人と職場のマッチングをはかる六角形モデルを提唱しました。

パーソナリティの6つのタイプ

パーソナリティ(個人の職業興味)の分類は以下の6つに分類されます。頭文字を取ってRIASEC(リアセック)と呼ぶことが多いです。

スクロールできます
6つのタイプ内容職業例
現実的タイプ
(Realistic)
物、道具、機械などを扱うことを好み、
明確で秩序的、組織的な操作をともなう活動を好む。
技術者
機械オペレーター
研究的タイプ
(Investigative)
数学、物理、生物などに興味関心があり、好奇心が強く学者肌で自立的。
物事を分析し、自分の意見を持ち明確に表明する。
研究者
学者
芸術的タイプ
(Artistic)
創造的で慣習にとらわれず、繊細で感受性が強い。
独創的な発想が豊かで自由。創造的な才能を生かせる職業を好む。
ミュージシャン
デザイナー
社会的タイプ
(Social)
社会的活動に熱心で、対人関係を大切にし、友好的であり、
教育、人の援助、伝えることなどの仕事を好む。
教員
販売員
企業的タイプ
(Enterprising)
リーダーシップを取り、人を導いたり、組織目標を達成したり
経済的利益を目的とした活動を好む。
放送ディレクター
会社経営者
慣習(習慣)タイプ
(Conventional)
データなどの情報を具体的・秩序的・体系的にまとめる活動を好む。
責任感があり、緻密。
事務員
会計士

このようにタイプ別にして職業の興味や傾向をはかる指標にすることができます。

環境の6つのタイプ

ホランドは、環境(職場の環境)もパーソナリティと同様に以下の6つに分類しました。人は似たタイプが集まりやすく、その集まりが環境をつくっていくと考えられています。

環境の6つのタイプ
  1. 現実的環境 → 具体的な指示に従って組織的に操作することが多い。
  2. 研究的環境 → 観察し、組織的・創造的な研究を行うことが多い。
  3. 芸術的環境 → 非組織的な活動や芸術的な創作能力が求められることが多い。
  4. 社会的環境 → 支援、治療や啓蒙など他人への働きかけをすることが多い。
  5. 企業的環境 → 目標を達成させるなど、他人への働きかけをすることが多い。
  6. 慣習的環境 → 整理や機器の操作など計画に沿って明確で順序だった仕事が多い。

六角形モデルの解釈について

VPI職業興味検査などホランドの六角形の理論が元になっている検査結果の解釈には、「3レターコード」「一貫性」「分化」を理解しておく必要があります。

VPI職業興味検査については後ほど紹介します。

3レターコード

「3レターコード」とは、6種類のパーソナリティタイプのうち、上位3つのコードを頭文字で表したものをいいます。

例:上位3つが「I」「S」「A」だった場合、「I-S-A」研究的・社会的・芸術的な要素がある職業が合っていることを示しています。

また、この3つのタイプの強弱は人それぞれであり、1つが強く、2つが弱いことがあれば、いずれも均一なこともあります。

一貫性

「一貫性」とは、六角形モデルを図で示した場合に隣接した3つのタイプ(3レターコード)が上位にくると類似性が高く、一貫性があり、対角線上にくると類似性が低く一貫性がないことを表します。

分化

「分化」とは、ホランドの6つのパーソナリティのうち、特定のタイプの数値が高く、他のタイプの数値が低い状態は「分化している」といえます。

反対に、全てのタイプのパーソナリティの値が高い、もしくは低い場合は分化していないため「未分化」ということになります。

VPI職業興味検査とは?

VPI職業興味検査とは、ホランドが開発した職業興味領域に関する個人の興味・関心の強さや個人の心理的な傾向を測定する検査です。

マニュアルに従うことで誰にでも検査を実施することができます。

対象者は18歳以上(短大生、大学生以上)となっており、所要時間採点時間を含めて15~30分程度です。内容は、160個の職業名に対する興味の有無を回答するものです。

実施・採点はカーボン形式で簡便になっており、現在第3版がでています。

回答することで
6つの興味領域尺度(現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的)に対する興味の程度
5つの傾向尺度(自己統制、男性-女性、地位志向、稀有反応、黙従反応)を表示することができます。

6つの興味領域尺度

以下のような6つの興味領域尺度がわかります。

6つの興味領域尺度

R尺度(現実的興味領域)
機械や物体を対象とする具体的で実際的な仕事や活動の領域

I尺度(研究的興味領域)
研究や調査のような研究的、探索的な仕事や活動の領域

A尺度(芸術的興味領域)
音楽、美術、文芸など芸術的な仕事や活動の領域

S尺度(社会的興味領域)
人に接したり、人に奉仕したりする仕事や活動の領域

E尺度(企業的興味領域)
企画や組織の運営、経営などの仕事や活動の領域

C尺度(慣習的興味領域)
定まった方式や規則に従って行動するような仕事や活動の領域



5つの傾向尺度

以下のような5つの傾向尺度がわかります。

自己統制尺度(Self-Control:Co尺度) 
→自己の衝動的な行為や考えをどの程度統制しているかを示す。

男性−女性傾向尺度(Masculinity-Feminity:Mf尺度)
→男女問わず、一般に男性が好む職業にどの程度強い関心を持っているかを示す。

地位志向尺度(Status:St尺度)
→社会的威信や名声、地位や権力などに対して、どの程度重視するかを示す。

稀有反応尺度(Infrequency:Inf尺度)
→職業に対する見方がどの程度、常識にとらわれず、ユニークであるかを示す。

黙従反応尺度(Acquiescence:Ac尺度)
→どの程度多くの職業に関心を持っているかを示す。

留意点として、結果を解釈したり、活用したりする際には、細かい数値にこだわったり、興味のパターンと希望の職業が一致していないことを問題にしたりなど、窮屈に考える必要はないということが挙げられます。

VPIから得られた結果は、将来の選択に関するヒントのひとつとして取り入れていきましょう。

関心を持った職業については、職業情報提供サイトjob tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))などを使って詳しい職業情報を得ることで、より職業選択が実り多いものになると思います。

まとめ

職業興味検査や進路選択ツールなどの開発も行った、「ジョン・L・ホランド」のベースとなる理論である、六角形モデルについて解説してきました。

それぞれの興味・関心などからキャリアを選択するのは、今ではごく普通に行われていることですが、ホランドの功績があってこそともいえるのではないでしょうか?

それぞれの性格と環境の相互作用が、満足度の高い職業生活につながるものとして、今も職業選択の際の基本として根付いています。

是非仕事の理解にお悩みの人は試してみて下さい。

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