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セルフ・キャリアドックを活用するメリット・デメリットと対策について解説

近年、働き方の多様化や価値観の変化に伴い、従業員がキャリアを主体的に考えることが求められています。

従業員

今のキャリアをどうしていけばいいかわからない。

そのため企業側もメンバーが長期的に成長し、能力を発揮できる環境を整えることが必要になります。

経営者

やる気のある社員を育てていくためにはどうしたらいい?

このような背景から、従業員のキャリア形成をサポートする「セルフ・キャリアドック」が注目を集めています。

この記事では従業員のキャリア自律を支援し、組織全体の成長にも繋がる『セルフ・キャリアドッグのメリット・デメリット』について解説していきます。

目次

セルフ・キャリアドックとは?

「セルフ・キャリアドック」とは、従業員が自らのキャリアを主体的に考え、企業がキャリア形成を支援する制度や仕組みのことです。

セルフ・キャリアドックとは

キャリアの節目(昇進、昇格、年齢など)にキャリアコンサルティング面談やキャリアプランの作成支援、キャリア研修などをおこなう「取り組み」や企業内の「仕組み」のことを指します。

厚生労働省:セルフ・キャリアドックとは

単に面談や研修をおこなうのではなく、主体的にキャリアを形成することが目的です。具体的な行動を取れるようにサポートすることやスキル開発など長期的なキャリア支援をすることが重要です。

セルフ・キャリアドッグは年に1〜2回おこなうことから『キャリアの健康診断』とも言われています。

企業によって様々な取り組みがありますが、「定期的なフィードバック」や「メンター制度の導入」など継続的にキャリアを考える機会を提供することで、働き手が柔軟にキャリアを調整し、満足度の高い職業生活を送れるようにサポートしています。

企業にとっても、従業員の成長やキャリアの充実度が向上することで、離職率の低下や取り組みの向上といった効果が期待でき、組織全体の生産性を高めることができます。

セルフ・キャリアドックを受けたいと感じている人は?

実際に従業員がキャリア形成(セルフ・キャリアドック)についてどう考えているのでしょうか?

キャリアについての調査データ

厚生労働省が令和5年に調査をしたデータを見てみましょう。

厚生労働省の職業生活設計のデータによると正社員では66.7%の人が自分でキャリア設計を考えていきたいと回答しています。
(内訳)
自分で職業生活設計を考えていきたい:29.3%
どちらかといえば、自分で職業生活設計を考えていきたい:37.4%

参照:厚生労働省 能力開発基本調査 令和5年
セルフ・キャリアドックを受けたいと感じている人の悩み
  • 今のキャリアに不安を感じている人
  • 自己理解や自己成長に興味がある人
  • キャリアの選択肢を広げたい人

キャリアについて考えていきたいと考えている人が66.7%と多い一方、実際にキャリアコンサルティングを受けた正社員の人は13.8%とかなり低い結果となっています。

セルフ・キャリアドックのメリット3つ

セルフ・キャリアドックのメリットについて解説していきます。

1.自己理解が深まる

セルフ・キャリアドックでは従業員が自己分析を行い、自分の強みや弱み、興味、価値観などを見つめ直すことができます。

これにより、自分の本当にやりたいことやキャリア目標を明確にわかりやすくなります。

自己理解ができることで、キャリア選択に対する自信がつき、今後の意思決定が容易になる効果が期待できます。

2.キャリアの選択肢が増える

セルフ・キャリアドックは、変化の多い職場環境においても柔軟に対応できるキャリア形成を支援しています。

自己理解を前提として、変化に合わせたスキルの習得や新しいキャリアパスへの挑戦を前向きに考えることができます。

また、自分のキャリア目標や価値観を基に行動することで、環境の変化に左右されにくく、自己主導のキャリアが築けるようになります。

3.モチベーションが向上する

セルフ・キャリアドックにより、自分の価値観や目標に基づいたキャリアを築くことができるため、仕事に対する充実感やモチベーションが向上します。

これにより、日々の業務に対してポジティブに取り組むことができ、充実感が長期的なキャリアへの愛着や取り組みにもつながります。

セルフ・キャリアドックは、このように自己理解の促進、キャリア設計、モチベーションの向上というメリットを提供し、個人のキャリアを自律的に支えるための有効な手段となっています。

セルフ・キャリアドックのデメリット3つ

セルフ・キャリアドックのデメリットについて解説していきます。

1.労力がかかる

セルフ・キャリアドックは、自己分析やキャリアプランの策定、フィードバックを受けるなど、時間と労力を解決します。

また、集中して分析を行うには精神的なエネルギーも必要なため、負担に感じる人もいます。

2.専門的なサポートが不足する可能性がある

セルフ・キャリアドックを効果的に実施するためには、キャリアコンサルタントなどの専門家支援が必要になりますが、十分なサポートが得られない場合、自己分析が不十分な場合もあります。

予算の限定された組織では専門的な支援の提供が難しい場合があり、従業員が正しい方向性を見つけられなかったり、自己分析に偏りが生じるリスクがあります。

3.プレッシャーがかかる

セルフ・キャリアドックは「自己主導のキャリア形成」を重視しますが、これによりキャリア選択やキャリアプランに対する責任やプレッシャーを感じる人も少なくありません。

特に、自分のキャリアに関する方向性が定まらないと感じる場合には、どのように進むべきか不安や迷いが生じることもあります。

結果として、期待通りの成果が得られなかった場合には自己責任が問われると感じ、プレッシャーに感じる人もいます。

これらのデメリットを踏まえて、セルフキャリアドックを導入する際には、十分なサポート体制やスケジュール調整などの工夫が求められます。

セルフ・キャリアドックのデメリット対策

先ほどのデメリットに対しての対策について解説していきます。

1.スケジュールの工夫とリソースの確保

労力がかかるに対しては下記の対策が有効的です。

  • 適切なスケジュール設定
    セルフ・キャリアドックの活動を日常業務に無理なく組み込むため、年度ごとや定期月など、決まったスケジュールで行うと負担が軽減されます。年に1〜2回の集中セッションを増やすなどの工夫が有効です。
  • 短時間でできる自己分析ツールを活用
    自己分析などが簡単にできるオンラインツールやシートなど活用して、効率的に自己理解が仕組みがあると自己蓄積的なことが可能になります。
  • サポートリソースの確保
    キャリアドックの時間を確保するために日々の業務に支障が出ないよう、人事部門がスケジュール調整に協力し、リソースを確保できるようにサポートを行うことも大切です。

2.外部リソースや内製化支援の活用

専門的なサポートが不足する可能性があるに対しては下記の対策が有効的です。

  • 外部のキャリアコンサルタントを導入
    専門家の支援が不足している場合、外部キャリアコンサルタントのサポートを導入することで、自己分析やキャリア設計に関する質の高いアドバイスが受けられます。定期的なキャリアコンサルティングのセッションを提供することも有効です。
  • 社内のメンター認定やトレーニングの実施
    内製化を取り組む場合には、管理職や先輩社員がメンターとしてキャリアドックのサポートを確保することも大切です。サポートに関することで自身がトレーニングすることにもなり効果的です。また日常的な支援を提供しやすくなります。

3.サポート体制と目標設定の明確化

プレッシャーがかかるに対しては下記の対策が有効的です。

  • 明確な目標設定とフィードバックの提供
    キャリア目標が明確でない場合、セルフキャリアドックを活用しても方向性が定まることはありません。そのため、目標設定や定期的なフィードバックを通じて、進捗を確認しながら支援する体制を整えり、背景を伝えることが大切です。
  • カウンセリングや相談の場の提供
    自分のキャリアに対するプレッシャーを軽減するために、定期的なカウンセリングやリーダーとのキャリア面談の機会を設け、悩みや不安について相談できる環境を作ると効果的です。自己責任への負担を軽減することで、安心して取り組むことができます。

これらの対策を講じて、セルフキャリアドックを無理なく、かつ効果的に実施する環境が整います。

セルフ・キャリアドックの導入手順

セルフ・キャリアドックの導入手順について解説していきます。

1.人材育成ビジョン・方針の明確化

人材育成ビジョン・方針とは、企業の経営理念を実現するために、従業員に期待する人材像や人材育成方針を明らかにするものです。

「あるべき人材像」を設定しそのギャップから課題を明確にすることで、育成方針が定まってきます。

2.実施計画の策定

人材育成ビジョン・方針に基づいて、どのように進めていくか具体的な実施計画を策定していきます。

一般的な施策としては「キャリア研修」と「キャリアコンサルティング面談」の2つなります。

キャリア研修

ライフキャリア上で様々な環境の変化で、キャリア形成の課題に向き合うことが考えられる従業員に対して集合研修や小グループによるグループワークなどが有効的です。

例えば、入社5年目、10年目や30歳、40歳など節目を設定し、20代後半~30代前半の中堅社員、40代~50代のシニア層社員といったグループに分けて実行していきましょう。

キャリアコンサルティング面談

従業員がキャリア形成上の課題に応じて、実施時期や頻度等を設定します。

例えば、新入社員であれば入社時研修時に併せて実施することや、中高年社員であればキャリア研修後に行うことが有効的です。

面談を実施するにあたっては以下の準備をしておくことが大切です。

必要ツール
  • 面談(記録準備)シート
  • 報告書
  • アンケート

これらを用意するには専門家や外注することが効果的です。

「全員面談」を実施する場合もあり、その場合は十分なキャリアコンサルタントの人数を確保しておくことが必要となります。

3.企業内のインフラ整備

セルフ・キャリアドックを実施するにあたっては様々なルールを設定し社内への理解を求めることが必要です。

キャリアコンサルタントが社内にいるか社外で外注するかでルールや規定が変わってくることがありますが、担当者を決めて整備していくことになります。

また現場管理職や対象従業員に理解を求めることが大切です。

4.セルフ・キャリアドックの実施

キャリア研修を通してキャリアの棚卸しから、キャリアビジョンやアクションプランの作成などをおこないます。

自己理解や仕事理解に始まり、現状の課題や意見、要望などを聞きながらキャリア面談をおこなっていきます。

セルフ・キャリアドッグを進めるにあたって、必要に応じて外部からのサポートを受けることが重要です。専門家やメンターとの連携を大切にし、現状において、キャリアプランをブラッシュアップしましょう。

5.フォローアップ

キャリアドッグは一度だけの取り組みではなく、継続的なプロセスが必要です。定期的に自己分析を行い、目標を見直しながらキャリアを継続することが大切です。

ライフステージや職場環境の変化に応じて、キャリアプランを見直す柔軟性を持つことで変化に対応できるよう、定期的にプランを更新しましょう。

キャリアコンサルタントは人事部門や関連部門と協働して対象従業員やその上司などに対して、キャリア意識や仕事ぶりに変化が出たかどうかを定期的にモニターすることが有効的です。

その結果をもとにキャリアコンサルティング面談や、翌年のキャリアコンサルティング面談で結果を話し合うとよいでしょう。

セルフ・キャリアドックの依頼先

先ほど紹介した例を実際に企業単体で取り組むことは難しい部分もあります。

そこで依頼方法についても解説していきます。

キャリア形成リスキリング推進事業

キャリア形成・リスキリング推進事業

厚生労働省委託事業である(キャリア形成・リスキリング推進事業)に依頼する方法です。

公式サイトからメールで無料相談ができるようになっています。

全国47都道府県にセンターがあり、サイトには『セルフ・キャリアドック活用事例』も多数掲載されていますので、参考にしてみて下さい。

キャリアコンサルタントに直接依頼

国家資格登録のあるキャリアコンサルタントに直接依頼する方法です。

キャリコンサーチという検索システムを利用することで簡単に依頼することもできます。

国のキャリアコンサルタント名簿に登録している「キャリアコンサルタント」と「キャリアコンサルタントを探したい企業担当者や個人等」ご利用者とのマッチングを支援するキャリアコンサルタント検索システムです。

参照:キャリコンサーチ

キャリアコンサルタントを検索する方法は、個人・団体等のHPやSNSを活用することもできますが『キャリコンサーチ』は国家資格登録番号を持っていないと登録できないため、安全にやり取りが可能です。

まとめ

セルフ・キャリアドックの活用について、メリット・デメリットや導入の流れについて紹介してきました。

企業としてもキャリアに対する意識が高まることがプラスになる一方、社内リソースがなかったり、やり方がわからずに始められていない現状があります。

キャリアコンサルタントの数も増えてきており、外部サービスも充実しているため、有効的に利用しながら、キャリアの健康診断を実施してみてはいかがでしょうか?

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