「超高齢化2025年問題の壁」と「IT老朽の2025年の崖」課題と対策
2025年には大きな2つの問題がやってくることをご存知でしょうか?
- 超高齢化社会
- ITシステムの老朽化
超高齢化社会についてはなんとなくイメージができていることも多いと思います。
ITシステムの老朽化に関しては2025年の崖(がけ)と言われており、システムの再構築が必要な問題です。
日々仕事に追われていると2025年のことよりも毎日の仕事で精一杯というのが本音ではないでしょうか。
しかし2025年問題は2つが重なる事で現役世代にも大きな影響を与えます。そのため「関係ない」ではなく簡単にでも知っておく事が大切だと思います。
「2025年問題」や「2025年の崖」はセットで話題になることが多いです。
問題を知って回避できるようにしましょう!
2025年超高齢化社会とは?
2024年には人口の半分以上が50才以上となり、2025年は人口の多い団塊の世代(800万人)が75歳以上の後期高齢者になることが予想されている問題です。
800万人というと大阪府の人口が880万人程度なのでその数が多いことが実感できるます。
2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になることが予想されています。
超高齢社会になることで人口ピラミッドが逆三角形となりバランスが崩れる事が問題視されています。
- 医療
- 介護
- 福祉
- 年金
人口ボリューム層である高齢者の費用を支えるため現役世代の人員やサービス体制の整備・拡充が不可欠になります。
さらに高齢者サービスを満たすだけの給付=社会保障費の急増も避けられません。
ただでさえ少子化で若者の数が減少している中でこうした様々な問題が噴出する事を「2025年問題」といいます。
2025年の崖(ITシステムの老朽化)とは?
『2025年の崖』は日本企業のITシステムが老朽化する事で予想されている問題です。
この言葉は2018年に経済産業省が発表した、「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」の中で使われておりIT業界に大きな衝撃を与えました。
日本企業が使っている既存の古いITシステムは老朽化・複雑化しておりブラックボックス化が課題となっています。
非効率で古いシステムのことをレガシーシステムと言い、20年以上経過したシステムを多くの企業で利用されています。
問題は基幹システムと言われる根本のシステムであるため不具合があると大変です。
- サポートが終了する
- エンジニアが足りなくなる
- 保守費用のコストが高くなる
- ブラックボックス化する
- デジタル競争の差が更に開く
現在の状況を改善できなければデジタル競争で生き残れず、システム維持のコストが膨らみ、システムトラブル(情報漏洩やサービス停止)が増える事が懸念されています。
・2025年以降は最大年間12兆円以上(現在の約3倍)の経済的損失が発生する可能性があります。
2025年問題が与える影響
「2025年問題」や「2025年の崖」の話を聞いても介護や医療分野の仕事ではない方やシステム改善は経営者の問題と思う方がいるかもしれません。
しかし『2025年』に起こりうる問題はすべての現役世代に影響があります。
- 各種社会保険料の引き上げ
- 公的年金受給開始年齢の引き上げ
- 消費税率のさらなる引き上げ(目立たない税金の引き上げ)
などの可能性があります。
システムが古く、取り扱っている人が引退することで企業としても対応ができないことで、倒産・廃業の可能性もあり職自体を失うということも考えられます。
2025年問題の対策
2025年問題についてどう対策をとればいいかについて考えます。
今回の問題提起として出た言葉はDXレポートの中で出された内容の為、政府としてもDXを推進することで、解決をして欲しいと考えています。
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略称でデジタルによる変革を指しています。
- ITツールやデジタル技術を使って企業がビジネスを生み出す
- 生産性を高める
- 新しいサービスにより消費者の生活の向上
特にAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)ICT(情報通信技術)クラウドサービスなどを含んだ総合的な技術に注目されています。
『DXレポート』では日本国内の企業が市場で勝ち抜くためにはDXの推進が必要不可欠でDXを推進しなければ業務効率・競争力の低下は避けられないとしています。。
DXが必要な理由
DX推進が企業の課題となる理由として既存の基幹システムやソフトウェアなどが時代遅れのレガシーシステムが問題となります。
企業としても社内のレガシーシステムを見直す必要があります。合併や統合による複数のシステムを併用している場合が多々あります。
現状問題としてDOSのデータベースが使用されている事やWindows7が基幹システムとして稼働している事もあります。
2020年以降の新たなビジネススタイルに対応するためのデジタルシフトを計画していかないと事業の継続に問題がでるでしょう。
例えばシステムの過剰なカスタマイズや最適化を繰り返している場合システムの複雑化している可能性があり経営を圧迫する事になります。
これらの問題を段階的にクリアしつつDX推進をめざしていく事が求められています。
DX推進のケースではデジタル人材の確保も意識していかなければなりません。
従来のレガシーシステムは『COBOL(コボル)』という古いプログラミング言語で書かれている事が多くCOBOLが分かるエンジニアの多くは2025年迄に定年を迎えるため第一線でシステムを守ってきた人材が大きく不足すると懸念されています。
不足した人材の対策
人材が不足することは目に見えているため、どの程度デジタルシフトしていくのかを企業がしっかりと向き合っていかなければなりません。
コロナの影響もあり近年ではデジタル社会の到来で紙の書類や印鑑(ハンコ)の必要性が減り、デジタル決済や生体認証などITを使ったシステムに一部移行しています。
テレワーク普及で自宅でも職場と同様の働き方ができるようになってきました。
現金を持たず電子マネーで買い物ができるようになりました。
働き方・生活スタイルの変化に対応する為に企業はDXを推進しつつレガシーシステムや人材不足問題に向き合う必要があります。
2025年の崖の影響を受ける企業
予測では創業から日が浅い企業よりもレガシーシステムを長年にわたって使用してきた創業年数の古い企業が強く影響を受け問題の克服に時間がかかる可能性が指摘されています。
「2025年の崖」によって影響を受ける企業は大企業ばかりではなく中小企業や個人事業主も含まれます。
経営者だけでなく現場で働く人の働き方にも直結します。
そして消費者(ユーザー)やビジネスの恩恵を受ける人にも影響がおよぶ事になります。
2025年に差し掛かる頃には20年以上稼働し続けているレガシーシステムが国内企業のシステム全体の6割に達すると予測されています。
2025年の崖を克服する方法
会社内の課題の洗い出しと問題解決の為の計画を考え段階的に取り組むことが必要です。
経済産業省では『DX評価指標』と呼ばれる社内のDX推進状況や計画について自己診断シートを提供しています。こちらを活用し段階的に下記の4ステップで進めていきましょう!
- 自己診断シートで現状の把握
- 経営陣、システム部門と連携し、問題点を洗い出す
- 人材集めや人材育成とシステムの選定・スケジュール設定
- 段階的な移行作業
注意点としてはすぐに移行することはできないという点です。システムにはテストや検証しながら進めないと、大きなトラブルに見舞われることが多いです。
経営層だけでなく、必ず現場責任者と進めることが大切です。
「2025年の崖」はレガシーシステムを複雑かつ膨大に取り入れている企業が影響を受けやすいと考えられています。
見直しが十分に行われないまま長い年数が経っている企業ほど内部システムも複雑化している為デジタル化に時間がかかる可能性があります。
今はDX化の必要性を感じていない状況でも変化に迅速に対応できる体制がなく、ビジョンもあいまいな状態では経営自体の問題に直面するでしょう。
どのシステムを改修していくか?
どのようなテクノロジーを取り入れるか?
デジタル化で生産性アップ・効率が上げられる箇所の調査を行い会社内で具体的にスケジュールを決めて対策を進めていったほうがいいでしょう。
まとめ
2025年問題については2つの問題が重なる事で大きな問題となっています。
まずは今現場で起きているアナログな対応について目を向けて、2025年問題と絡めて提案していくことで話し合いの場を持つようにしましょう。
また目の前だけではなく全体の構造や世の中の制度やしくみに関する理解をすることで対策をとることができるのではないでしょうか。
今いる環境に依存せず環境の変化に対応する事ができれば将来どんな変化が訪れたとしても社会の中で生き抜くことができるはずです。
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